2022年夏、iPhoneのCMで犬とプールが出てくるやつをよく目にします。
なんとなくピンク・フロイドのようなテイストを感じないでもないこの曲、どうも気になってしょうがなかったので少し調べてみた情報を以下にまとめておきます。
CMはこちら。2022年の7月18日からAppleがYoutubeで公開しています。
曲はBekon「Cold as Ice」
調べてみたところ、曲はBekonによる「Cold as Ice」のようです。2017年の曲みたいですね。
いい曲っぽいのに、現時点で10万再生も行ってないしチャンネル登録者数が1000程度なのも不思議。
私はまったくノーマークだったのですが、Bekonはどうも本職が音楽プロデューサーらしく、エミネムやケンドリック・ラマーのトラック作成・バックボーカル・プロダクション等に貢献している人物のようです。本名はDaniel Tannenbaumで、こちらの名義でクレジットされている作品もあるとのこと(英語版wikipediaより)。
アルバムのクレジットとかをキッチリ見るような音楽マニアの間では有名だったりするんでしょうか。
英語ですが、2018年にインタビュー記事が出ています。
日本語での情報は現時点(2022年夏)でほとんどないですね。「Cold as Ice」が収録されているアルバム『Get with the Times』のレビューが以下のサイトで出ているくらいでした。
ケンドリック・ラマー、Joji、エミネムなどのプロダクション
BekonことDaniel Tannenbaumは、グラミー賞・ピューリッツァー賞をダブルで獲得したケンドリック・ラマーのアルバム『Damn』で8曲を貢献しているらしいく、かなり敏腕の若手プロデューサーっぽいです。
「XXX.」の出だしや「BLOOD.」など、改めて聴くとかなり特徴がありますね。iPhoneのCMで感じた「どっかで聴いたことある」はここだったのかと、個人的にはスッキリしました。
ケンドリック・ラマーの他にも、有名どころでは2020年に全米レコード協会でのゴールドレコードも獲得したJoji(from 88 rising)「Gimme Love」のプロダクションもしているらしい。
こちらの曲も筆者はもともと好きだったのですが、同一人物のプロダクションだと改めて言われると点が線でつながったような感覚があります。
もう少し昔だと、エミネム(2017)『Recovery』に入っている「25 to Life」とかも。こちらもいい曲。
ピンク・フロイドやシカゴのリスペクトを感じる
iPhoneのCMにも使われている「Cold as Ice」ですが、筆者はピンク・フロイドの「Brain Damage」(『The Dark Side of the Moon』収録)、およびシカゴの「Colour My World」のエッセンスを感じました。
アルペジオが特徴的なトラックの雰囲気は後者、コーラスに奥行きと独特の籠もりとがある感じは前者。
どうでしょうか。本人もピンク・フロイドの『The Wall』には結構影響を受けたと前掲のインタビューで述べていますし、元ネタの予想としてはそんなに外してはいないかもしれません。
ただし、「Colour My World」のほうに限ってはわりとよくあるコード進行と伴奏なので、「これがインスピレーション元だ!」とは言い切れません。
最近では、他にも韓国のシンガーLeeHiの「ONLY」(2021)なんかがよく似てるなと思います。
Bekonをもっと知るために
2017年のアルバム『Get with the Times』以外に、本人名義で発表のアルバムは今の所ないようです(2022年現在)。
彼がプロダクションした作品は前掲の英語版ウィキペディアで確認できますので、興味のある方はどうぞ。
ここでは、Bekon本人がフィーチャーされている動画をいくつかピックアップして記録しておきます。全て英語ですので悪しからず。
(暇なときに内容を適当にまとめるかもしれません。)
24時間でトラックを作る企画(Bekonとは何者かの簡単な説明もあり)
10分でトラックを作る企画
Bekon本人へのインタビュー
Bekonのインスタライブの切り抜き動画
音楽を本などで「勉強」するのもいいが、そんなことよりも人前で演奏して5ドル稼ぐ経験をするのが大事だ、という自分の哲学を語っている動画。日曜日にコーヒーショップでピアノを演奏して日銭を稼いでいたという自身の経験をシェアしています。
Bekon、これを機会にフォローしておくと良さげです。個人的に結構気になる存在なので、追加情報などを掘った際にはまたまとめようと思います。