疲れていると、夜中に飲酒しながらYoutubeのアルゴリズムがおすすめしてくる動画を次から次へと見てしまうという人生のエアポケットのような時間がたまに発生します。
ただそんな無為な行いもごく稀に、心に残る動画に引き合わせてくれます。
ハンニバル・レクターはスラッシュメタルがお好き?
ここ最近出会ったものはこれ。「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター役で有名な、アンソニー・ホプキンス氏(Sir Anthony Hopkins)が、スラッシュメタルでひたすらにヘッドバンギングをする動画です。充実の30秒でした。
(コメント欄を見るに、日本の視聴者にはまだあまり気づかれていないようです。)
強烈…アメリカの2ちゃんみたいなサイト(reddit)でも、動画が投稿されるなり場が騒然となっているのが見られます。
スレッドを見ていくと、「この曲なに?」「"Hannibal Corpse" (ハンニバル・コープス) だ」という秀逸なやり取りがあります。ちなみにCannibal Corpseは有名なデスメタルバンドですね。
曲はLICH KINGというアメリカのスラッシュメタルバンドの「Combat Mosh」だそうです。かっこいいですね。結構王道のスラッシュメタル(ややデスメタル寄り)で、スレイヤーとかアンスラックスとかが好きな人は好きそうです。
アンソニー・ホプキンスはスラッシュメタル好きというわけではないらしい
ただアンソニー・ホプキンス氏の動画に関してはよく調べてみたところ、残念(?)なことに音を入れ替えたものみたいですね。本人がtwitterにアップロードした以下の動画を加工したものだったようです。
This is what happens when you’re all work and no play... pic.twitter.com/2KvkJ2baw6
— Anthony Hopkins (@AnthonyHopkins) April 22, 2018
曲は違いますが、映像はそのままですね(笑)。私はくだんの動画をそっくりさんのものではないかと若干疑っていたのですが、本人公式アカウントからこの映像がアップロードされているということで、映っているのは紛れもなくご本人なのでしょう。
(むしろそっくりさんであってほしかったような…)
ツイートにある「All work and no play」はスタンリー・キューブリックの「シャイニング」に出てくるセリフのもじりでしょうか。「All work and no play makes Jack a dull boy」(仕事ばかりで遊びがないとジャックはバカな子になる)は、主人公のジャックが狂気に陥っていることを示す有名なシーンで出てきます。
ツイートの内容も含めると、映像におさめられているのはアンソニー・ホプキンス氏にとっての「キチゲ解放」手段だという理解で間違いなさそうです。
アンソニー・ホプキンスは作曲をするらしい
更に調べてみたところ、この動画に使われているのは、なんとアンソニー・ホプキンス氏本人の作曲による「The Plaza」という曲らしいです(この英語記事参照)。というわけで、ハンニバル・レクターはスラッシュメタルは別に好きではないが、オーケストラを作曲できる能力の持ち主というオチでした。
日本では手に入りにくそうですが、Youtubeなどで視聴することができます。結構しっかりした曲でびっくり。
アンソニー・ホプキンスは実際カニバリストどころかベジタリアンらしい
最後、アンソニー・ホプキンス氏についてのトリビアなんですが、彼はベジタリアンだそうです。映画では人の肉を食べるカニバリストなのに、演じている本人はそもそも動物の肉すら食べないということにちょっとしたアイロニーを感じます。
上の記事によると、来日したときも、寿司は食べず代わりに野菜の天ぷらを食べたとか。
ただ、こちらのニューヨーク・タイムズの記事によると、本人曰く正確には「ほとんどベジタリアン」だということのようです。特に思想的な背景があって肉を食べないのではなく、単に肉があまり好きではないということみたいですね。魚はたまに食べるとか。
(じゃあ来日したとき寿司を食べなかったのはなんなんだという感じもしますが...単に生魚は食べる気がしないとか、そういうことだったのかもしれません。)
「ハンニバル・レクターは実際ベジタリアン」だというのは大笑いするほどの話でもないのですが、クスッとするくらいのトリビアだと思います。機会があれば是非お使いください。