年末ということで私もM-1グランプリ見ました。個人的には最年長コンビの錦鯉が衝撃で、2本目のネタも見たかったなあというところです。
ボケの長谷川さんは五十路手前かつ今までの貧乏生活もあって7本(?)奥歯を失っているそうで、M-1最年長ファイナリストでありながら「再歯少」ファイナリストでもあるそうです(12月20日放送の『シンパイ賞』より)。「再歯少」って言葉はじめて聞いたわ。ちなみにGoogle検索でこの言葉は今のところ二件しかヒットしません。
ボケの長谷川さんの老化&貧乏&天然エピソードでテレビ露出が増えているようですが、ツッコミの渡辺さんの聞きやすく落ち着いた立ち回りでボケをきちんと引き立てるのもいい仕事してますよね。何か東京ダイナマイトのハチミツ二郎さん的な雰囲気を感じます。声も似てるし。
そんな錦鯉ですが、劇場での出囃子(登場時に流れるBGM)がかまやつひろし「我が良き友よ」なことをラジオ(霜降り明星ANN)で知りました。イメージに合ってて良すぎる…。
長谷川さんが「下駄をならして奴がくる」の「奴」に見えてきますね。私にはこの曲、コテコテの昭和フォークの代表というイメージで、聞くたびに松本零士の『男おいどん』がなぜか想起されます。
シングルレコードとしては1975年の発売なので、B面は「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」です。最近でもカバーが何回かされてるのでむしろA面より有名でしょうか?Corneliusとのライブカバーバージョンもかっこいいのですが、残念ながらCDのボーナストラックなのでサブスクには無いようです。
ファンク・アシッドジャズ的でかっこいい曲で、かまやつさん的にはこっちのほうが自分のやりたいような曲だったらしいですね。「下駄をならして〜」のほうの作詞作曲は吉田拓郎で、かまやつさん本人はレコーディング時そんなに気に入ってなかったとのこと。
高校生くらいまで私はかまやつさんのすごさをあまり知らなかったのですが、なにかのきっかけで見たCharとのギターセッションでえらく込み入ったテンションコードを弾いていて、「あれ、フォークとかグループサウンズの人じゃないの?」と思ったのを覚えています。その後グループサウンズ時代の曲を改めて聞くと、そうしたオシャレなコード使いが細々と散りばめられていることに気がついたりして。
しかし「ゴロワーズ」ですが、以下の記事によるとあのTower of Powerがバックバンドだとか。やたらかっこいいと思ったらそのジャンルでアメリカのトップじゃないですか…
何かTower of Powerがちょうどレコーディングの時期に来日してたらしく、ダメ元でバックバンドお願いしたらオッケーだったとか。Tower of Powerは同じタイミングでRCサクセションの『シングル・マン』一曲目のレコーディングにも参加していったらしいです。この曲は知らなかった。
しかしA面が「下駄をならして〜」の昭和フォーク歌謡で、B面にTower of Powerがバックバンドのおしゃれファンク・アシッドジャズって、今からすれば信じられないレコードですね。芸能・音楽業界って昔は割と何でもありだったんだなと改めて思い知らされます。
このポストではとりあえず錦鯉の出囃子の話を書きたかったのですが、他のM-1ファイナリストの出囃子も気になります。特にニューヨークはどうも結構な音楽好きらしく、彼らの出囃子はthe Strokesの「New York City Cops」です。コンビ名にも彼らの雰囲気にも合ってるしで、いいですね。
ちなみにM-1、今年はYoutubeに公式動画がアップロードされているようです。準決勝、準々決勝も見られますよ。私はニッポンの社長とランジャタイが面白かったです。